記帳代行を依頼する利点とリスクとは?詳しい内容を理解しよう!

公開日:2021/12/15   最終更新日:2022/11/22

経理業務を負担に感じている企業は少なくありません。その負担を軽くしてくれるのが記帳代行であり、多くの企業での導入実績があります。ただ「記帳代行を導入すればすべてがうまくいく」といった考え方には注意しなければなりません。今回は、記帳代行における利点とリスクについて解説します。

記帳代行を依頼する利点

まずは記帳代行を導入する目的ともなる利点について解説します。

精度の高い仕事が期待できる

記帳については、専門の経理が行うのであれば一定の精度が保たれるはずです。しかし経営者であったり、他の業務を請け負っているスタッフが行ったりしているケースも少なくありません。

専門的な知識がない状態での業務となると、記帳自体にミスが発生することも少なくありません。時間がかかることも考えられるのです。その点、記帳代行は専門の業者におまかせすると業務スピードも期待できるうえ、何よりも正確性の高い仕事が期待できるわけです。

経理知識と実務能力が高いスタッフを多く抱えている記帳代行サービスもあります。より精度の高い仕事を希望している方は、記帳代行を利用してはいかがでしょうか。

コストが抑えられる

経理スタッフを雇うとなると月々20万円から30万円はかかります。年間にすると数百万円になることもあり、しかも複数となると大きな負担になることは否めません。

一方で記帳代行の場合は、月額数万円程度のコストで利用できます。月に1万円から5万円の範囲内で対応してくれる業者もあり、コストについても記帳代行を依頼する利点の1つです。

融資申請が楽になる

企業にとって記帳は極めて重要なものであり、企業の経営状況を表す決算書の作成に関わります。そしてその決算書は金融機関に融資を依頼する際に、必ず提出を求められるのです。つまり融資の可否を左右するのが決算書といっても過言ではありません。

日頃の記帳が正確であれば、決算書の作成の手間も省けます。数字が間違っていないかなどの確認業務に時間を取られることもありません。よりスムーズに金融機関に対し融資申請ができるのです。

記帳代行の利用にはリスクもある?

記帳代行の利用にはさまざまな利点がありますが、逆に利用することで生じるリスクもあります。ここではとくに注意したい記帳代行の問題点をご紹介します。

社内の経理業務のスキルが上昇しない

経理担当の社員が社内にいると、経験を積むことで徐々に経理スキルも上昇するようです。しかし記帳代行を利用すると、外部業者に任せきりになります。

経理データを生かしたノウハウが蓄積しにくくなり、経理について自社では対応しにくくなるのです。ひどい場合には、情報の格納先やデータの詳細を理解しているスタッフがいない状況も考えられ、その結果として経営判断が遅れることも少なくありません。

場合によってはコストが高まる恐れあり

矛盾してしまいますが、実際に記帳代行を依頼することにより、かえってコストが膨らむこともあります。たとえば記帳および経理を経営者がしている場合は、実質コストゼロで対応していたことになります。しかし記帳代行を利用することで、月に数万円とはいえ出費が増えることになるわけです。

また記帳代行といっても、さまざまなオプションが用意されているケースも珍しくありません。帳票の整理や資金繰り表の作成、そして税理士がいる記帳代行サービスであると税務相談などもオプションで対応してくれることがあるのです。ただ、それらのオプションを付けすぎてしまうとコスト高になる恐れも出てきます。

お得になると思って依頼したのに、負担になっては意味がありません。事前に見積もりを依頼するなどして、コスト高にならないように注意しましょう。

記帳代行を依頼するまでの具体的な手順

記帳代行を依頼するまでの手順を詳しくお伝えします。それほど難しい手続きが必要になるわけではないので、肩の力を抜いて読んでもらえたら幸いです。

1.資料を準備する

いくら経理の専門家とはいえ、資料が揃ってなければ業務はできません。したがって依頼する前に、まずは依頼先へ送付する書類の準備から始めましょう。

書類については領収書および請求書、そして通帳のコピーが基本となります。他に、給与明細書や会社名義のクレジットカードの明細、振り込み明細などが必要になることもあるので、会社のお金の出入りを示す書類については提出できるように準備しておくことをおすすめします。

2.業者を選ぶ

どの記帳代行業者を利用するか決定するようです。インターネットでも対象の業者を調べられるので確認してください。ただすぐに契約するのではなく、まずは見積もりを出してもらうことから始めましょう。見積り依頼先は1社ではなく複数がおすすめです。その上で、よいと思ったところにコンタクトを取り契約の話を進めましょう。

3.契約し定期的に書類を提出する

契約したいところが見つかったら契約手続きを行います。契約手続きが済むと業者側から書類の提出を求められるので、指示に従ってください。以上が記帳代行を依頼するまでの具体的な手順です。

 

記帳代行を依頼する利点とリスクをお伝えしました。記帳代行にはメリットもありますが、当然デメリットの部分もあり、そちらもしっかりと把握した上で申込む必要があります。とくに、社内に経理スキルのノウハウが蓄積されないのはリスクの中でも大きなものになります。今後も継続して記帳代行を利用するのであれば問題ありませんが、一時的に利用する場合は契約終了後についても考えておきましょう。

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