記帳代行は税理士法に違反する?安心して依頼するには
税に関わる業務は税理士しかできないと税理士法に定められています。それでは記帳を税理士以外に頼むのは大丈夫なのか、記帳代行を頼んだら税理士法に違反しないのか、心配になりますよね。
記帳代行は税理士法に違反しません。その理由を知れば、安心して記帳代行を依頼できるようになります。ぜひお役立てください。
記帳代行とは?
記帳代行は、専門税理士や会計事務所が記帳業務を顧客に代わって行うサービスです。ほかにも、記帳代行サービスのプロフェッショナルに依頼するケースもあるでしょう。
記帳代行を依頼すると、さまざまなメリットが得られます。
業務の効率化が期待できる
記帳代行を事業主が行う際は、手間や時間がかかってしまいます。普段の業務と並行して行うのは大変でしょう。
記帳代行を専門の税理士や会計事務所に依頼すれば、手間や時間が省けます。時間や手間がカットできる分、結果的に業務の効率化がはかれるでしょう。
本業に集中したい方に、記帳代行はおすすめです。代行を依頼した際、領収証や請求書、通帳のコピーなどを提出します。
必要書類を提出するだけで、それぞれに仕分けしてくれたり、会計ソフトへ入力してくれたりしてもらえるでしょう。また、試算表や総勘定元帳も作成してくれるため、顧客は助かります。
ただし、記帳代行を依頼すると、自社で記帳するよりも数字を把握するのに時間がかかってしまうでしょう。数字が把握できるまでの時間が長いというのを念頭に置いて依頼するのがおすすめです。
コスト削減
また、記帳代行を依頼するとコスト削減につながります。なかには、記帳業務を経理担当が行なっているところもあるでしょう。
記帳代行を依頼すると、万が一会計担当が退職してしまった場合の新たな担当者を探すコストを削減できます。ほかにも、税理士に記帳をお願いしているケースもあるでしょう。
税理士に依頼している分の費用をカットできるメリットもあります。ただし、専門税理士や会計事務所、記帳代行サービスのプロフェッショナルに記帳代行を依頼する際には、コストがかかります。
依頼する際は、オプションの追加料金など、細かい部分まで確認してから依頼するとよいでしょう。
費用相場
記帳代行を依頼すると、どのくらいの費用がかかるか事前に把握しておくと安心です。記帳代行は、領収書や伝票の数によって決まります。
記帳代行を依頼した際、領収証などを依頼先に渡します。一般的には領収証などの枚数によって依頼料が決定します。
さらに具体的にいうと、仕分けという項目の数によって料金が前後するでしょう。通常、100仕分けまでが1万円、101〜200仕分けまでが1万5,000円、201〜300仕分けまでが2万円、301〜400仕分けまでが2万5,000円、401仕上げ以上が3万円〜といった具合です。
ここで紹介した費用相場を参考に、記帳代行を依頼してみましょう。
税理士資格がない人が記帳代行をしても違反ではない
記帳とは領収書の仕訳や計算をして帳簿を作る作業のことです。毎日のタスクを代わりに請け負う記帳代行サービスがあります。記帳は税理士しかできないと思われる方もいますが、税理士資格がない人が記帳代行をしても違反にはなりません。
記帳は税理士業務(税理士しかできない業務)にはあたらないためです。実際に税理士事務所でも記帳をしているのは税理士以外も多く、また繁忙期になると記帳代行のパート事務員を募集しているところもあります。このように記帳自体に資格はいりませんが、お金の管理をするため日商簿記2級程度の知識はあるといいようです。
税理士以外の記帳代行会社に記帳代行を頼むメリットは料金が安くなることです。税理士は基本的に顧問料がかかり決算や記帳を含めて請け負う形で、仕訳数が一定数超えると課金されるパターンが多いです。記帳代行会社なら従量課金制で少ない仕訳数から、ピンポイントで記帳のみを頼むこともできます。
また税理士と顧問契約を結ぶ場合決算までの年間を通して契約しますが、記帳代行を専門に行う業者は月単位で契約するところも多く、年度の途中で解約がしやすい利点があります。まずは記帳の外注を試してみたい方にぴったりです。自分のニーズによって税理士に記帳代行を含め決算まで頼むか、記帳代行のみを記帳代行会社に頼むか検討しましょう。
税理士法とは
税理士の制度を定める法律です。税理士法を読んでみても、記帳代行は税理士法に違反しないことがわかりますので安心してください。税理士は資格を持ってない者が携わることを禁止されている業務を独占的に行うことができる資格、いわゆる業務独占資格にあたります。
税理士法第52条は、「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。」と規定しています。つまり、税理士以外の人が税理士業務をすることは違法です。この税理士業務とは税務代理(納税者の代わりに税務署に税の申告をすること)、税務書類の作成(税務署に出す書類を作成すること)、税務相談(顧客の税に関する相談にアドバイスすること)です。
しかし、記帳代行はこの税理士業務に含まれないので、税理士資格がなくてもできます。実際に、国税庁ホームページの税理士法人について書かれているページには「税理士法人の業務については、税理士業務のほか、税理士が税理士の名称を使用して税理士業務に付随して行う記帳代行等の会計業務を行うことができるのと同様に、……」とあります。ここから税理士業務と税理士に付随して行う記帳代行が分けられていることがわかりますので、税理士以外にも記帳代行を安心して依頼して大丈夫です。
依頼しても問題はない記帳代行会社か確認しよう
記帳代行会社に記帳を任せても大丈夫ということがわかりました。記帳のアウトソーシングを考え始めたら、記帳代行会社を調べ依頼しても問題がない会社か確認しましょう。税理士の有無、スタッフの実績、セキュリティ体制、経営管理のしやすさをみていきます。
まず記帳だけでなく確定申告や税の相談まで頼みたい場合は、その会社に税理士がいるのか、または提携しているのかを確認します。確定申告や税の相談は税理士業務にあたるため、税理士がいないにもかかわらず「確定申告までやります」と謳うような業者は違反です。
記帳のみを頼む場合は記帳スタッフの実績を聞けるとよいでしょう。簿記の勉強をしているか、経理の経験があるかなど大切なお金の管理を任せることになるので安心して依頼できる人がいいですよね。
次にセキュリティ体制です。領収書やお金の動き、取引内容が相手にわかってしまいます。これらは会社の機密情報ともいえます。秘密保持の厳守に積極的で、書類管理、情報管理を厳重にする代行会社か確認しましょう。
最後に経営管理のしやすさをチェックしましょう。経営レポートをオプションでつけてくれる記帳代行会社もあります。記帳代行会社になにをどこまで求めるかを含め、安心できる会社を探しましょう。
記帳代行は税理士以外がしても問題なく、税理士法に違反しないことをお伝えしました。税理士法からも税理士業務と記帳は分けて書かれているので、安心して頼めます。ただ税理士がいないにもかかわらず、確定申告を請け負うという業者は違反ですので気をつけましょう。機密情報を扱う自覚を持っていて安心して依頼できる記帳代行会社を見つけ、日々のタスクを軽くしましょう。まずは相談からはじめてみてはいかがでしょうか。
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